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ヤマダ、島根に行く(第3話、女将さんとの再会、そして鳥取砂丘へ)

酔いも回ってきました。もうへべれけ。

視界が狭まります。

ガラガラッ。引き戸が開きました。

びっくりしました。ヤマダの記憶そのままの姿で女将さんが現れたのです。

年とってないのか?60歳は超えているはず・・

「ご立派になられて・・お母様はお元気?」

「あっ、げ、元気です。最近ちょっと太りました。」

酔いと緊張で的外れなことを口走ります。

「おいくつになられたの?」

「31です。」

「ご結婚はなさってるの?」

「まだです」

「お仕事は?」

「美容師なんです」

質問攻めです。

「あら、わたしね、ヘアマニキュアで染めてるんです。ハニーブラウンって色。どうかしら?」

どの辺がハニーなのかよくわからなかったのですが、ここは褒めごろしだっ!

「すごくいい色ですよ。上品な感じ。っていうか全然お変わりないですね。お若い。」

「まぁ、お上手。さすが美容師さんね」

本当にそう思ったので、ありのままを伝えただけなのですが・・

しばらくして、男性のお客さんが入ってきました。50絡みの管理職という趣き。

「ビール。あー、なんか刺身ちょうだい。あと煮付けね。」

おおざっぱな注文です。

それでもご主人は手際よく調理をはじめました。

2軒目なのか、お父さんは既に上機嫌。できあがってます。するとおもむろにご主人に向かってしゃべりはじめました。店に来るのは2回目のようです。

「7年位前にね、出張で。夜ここに来たんですよ。ここの味が忘れられなくてねぇ」

ヤマダは衝撃を受けましたね。ガツンと来ましたね。

7年経っても憶えられているお店。訪ねて来てくれるお店。

素敵じゃないですか!

店内の雰囲気、ご主人と女将さんの人柄。もちろん味!

そんなことがお客さんの足を再びお店へと向かわせるのでしょう。

まさに美容室にも同じことが言えるじゃないですか!

違う業種でも、心構えやお客様への思いやりは共通です。身の引き締まる思いがしました。

酔っ払ってましたが。

約2時間。あっという間でした。時計は11時を少し回ったところ。もう少しいたかったけど、酔いも最高潮に達し、姿勢を保っているのが辛くなってきました。横になりたい・・

「そろそろ宿に戻ります」

「あら、もう?でも出雲大社に行かれたんでしょう?じゃあ、お願いが叶ったらお礼参りにまた来なきゃね」

「ああ、そうかぁ、お礼参りかぁ」

「そうですよ。そのときはぜひまたいらしてくださいね」

ご主人にもご挨拶してふらふらで外に。

「今日はお会いできて本当に嬉しかったわ。お母様にもよろしく」

突き当たりを曲がるまで何度も振り返って手を振ります。

女将さんはいつまでも手を振り続けていました。

また来よう。必ず。


翌朝。予定は白紙です。離島の国立公園、隠岐の島や境港も候補に挙がったのですが、隠岐の島は日帰りで行くのはかなり厳しいことが判明。行けても島の滞在時間15分。

辛うじて日帰りできそうな鳥取砂丘に行くことにします。

松江から特急に乗り米子へ。鳥取行きの電車が来るまで1時間。1時間ですよ!

しかし、これが許せてしまうのが旅の良いところ。米子の街を散策。面白くなかったのですぐに撤収。駅に戻って駅弁(名物ます寿司)などを買い込み電車へ。

約1時間。鳥取駅に着きます。松江よりもう一回り小さい街です。

タクシーに乗り鳥取砂丘へ。15分ほどで砂丘入口へ。


砂丘。

凄かったけど・・一度行けばいいって感じですね。

夜は島根に戻り名湯玉造温泉に。とても良い旅館でゆったり気分で疲れを癒しました。

最終回、ヤマダ、島根に行く(総括)につづく。
ヤマダ、島根に行く(第3話、女将さんとの再会、そして鳥取砂丘へ)_d0026370_19173198.jpg

by crabclub | 2006-11-13 16:58 | 遠くに出かける

髪を切ったりギターを弾いたりしています。


by 天丼で鉄板

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